施工前

棟や外壁との取り合いなど、雨漏りを防ぐために非常に重要な部分が損傷しています。

非常に多くの瓦で『凍て割れ』が起こっていました。
ひびが走ったり、悪化して欠け落ちてしまったり。大きな穴となっている部分もありました。
凍て割れというと雪国で起こるもののように感じがちですが、古くて焼きの甘い瓦は、京都の寒さでも割れてきます。
現代の瓦は、ガス窯で焼いて品質が均一化されています。しかし昔は薪の窯で焼いていますから、焼き加減にムラがあり、品質に差が出るのです。昭和初期~真っ只中に作られた瓦は、そういったものばかりです。
角っこの瓦は、瓦が飛ばされて無くなったりもしていました。
当然、そういった所も雨漏りの原因に。
施工中
応急処置
形をしっかり保っている瓦の部分は、防水シート(ルーフィング)を瓦の下に挿し、敷設しました。
防水シートは層構造で出来ていて、改質アスファルトや特殊合成不織布などが防水性・耐久性を確保しています。
強風などで雨水が瓦の下に吹き込むことがあっても、撥水し、浸みさせない役割があります。
完全に瓦が抜け落ちてしまった所は、仮の瓦を差し替えし、一時的に雨水の漏れを止めました。
数日後、本格的な修理に入ることとなりました。
修理
職人2人で現場へ。
隅棟(すみむね)が一か所崩れていたため、既存の瓦を再利用して積み直し致しました。
▽ 隅棟とはこういった部分のことを指します。

瓦が崩れ、内部の葺き土が漏れていたので、綺麗に清掃しました。
耐久性がありつつ劣化しづらい適切な量の漆喰で下地を固め、瓦を積み直します。
屋根の『面』に使われている瓦は桟瓦(さんがわら)と呼びます。
こちらは、まだ使える瓦を突き上げて真っ直ぐに。
ずれた瓦を正しい位置へと戻す作業を「突き上げる」と呼んでいます。瓦同士の重なり合いを正確に揃え、雨水を受け流せる構造にしました。
割れて使えない瓦は新しいものに差し替えです!
もし大きい地震や強風が来ても、最大限ずれにくい状態にするため、銅線・コーキングで瓦止めも施工。
今回の屋根は立派に造られた屋根で、何枚かに一枚は銅線で緊結されていました。
元々の造りを考慮し、できるだけ元通りに銅線で留め直ししております。
完工
2日で完了しました。凍て割れ瓦だけでも、差し替えた数は40枚ほどになります。
お客様は、修繕費用がもっと高いものと想像されていたそうで、お見積もりの際「そのくらいで出来るならすぐやっていただきたい」とおっしゃっていただけました。希望のご予算にするため、使える瓦は再利用し、最大限費用を抑えました!

線の揃った瓦屋根になりました。

色の明るい瓦は差し替えした箇所です。

飛ばされて無くなっていた軒先の瓦もありましたが、しっかり修復。
下地から古くなっている屋根ですから、今後のことを考えると「不安が0」とは言えません。
その点に関してもお客様にお伝えし、また万が一何かあれば、声をかけて下さいということで工事完了になりました。
職人として自信を持ってお渡し出来る瓦屋根となりました。
▷類似の施工実績:京都市伏見区にて雨漏り修理〈瓦ずれの修理・漆喰交換〉
▷類似の施工実績:京都市中京区にて天窓からの雨漏り修理〈瓦ずれ修復・差し替え〉
担当者のコメント

西堀瓦店にお任せいただき、誠にありがとうございました。
当店は、高い費用を取ることを目的に屋根修理をしているのではありません。
むしろ屋根には、普段の生活では気づけないような傷みや、放っておくと深刻になる小さなトラブルが起きがちです。そういったところを、職人として責任を持って直させていただきたいと考えております。
「心配やな」「ちょっと見てほしいな」そう感じられた際に、お気軽に現地調査をご依頼ください。
京都の寺社仏閣に携わって鍛えた目で、わずかな事も見落とさずご報告致します。
長寿なお家は、急な雨漏りにお気をつけください。