瓦の『割付』について
瓦屋根を葺くとき、一番神経を遣う作業は、『割付』(わりつけ)です。簡単に言うと、屋根の寸法に対して瓦が余ったり不足したりしないよう、適切に葺く作業のことです。昔の瓦と今の瓦は寸法が違いますし、割付のことを常に頭に置く必要があります。
ただ単に寸法を計って計算しても、数字「だけ」では絶対にうまくいきません。
目と手で瓦と向き合って行っています。
極端な話、1枚につき1ミリずつ差をつけるとすると、50枚あれば50ミリの差を作ることができます。
そういった技術を使いながら、瓦屋根がひずまないように美しく割り付けを致します。
余談ですが、日本のお城の屋根も、瓦が立派で構造も複雑に見えますよね。
葺くのが難しそうに思えるのですが、実は、割り付ける上での「逃げ道」はたくさんあるのです。反対に、真四角の屋根が一番割付が難しいといえます。というのも、形がシンプルであるからこそ微調整が効きづらいからです。
古い瓦屋根の葺き方について
今回も、もう何百年も経っている屋根ですので、瓦自体がものすごく歪んでいました。
傾いたり左右非対称になっていたり、1枚ずつ違います。そこで、色んな方向に糸を張って(工事用の糸です)、屋根を下から見たときにも隙なく美しく仕上がるように。
糸は、勾配や曲線などを調整するために用いています。
当店では、瓦屋根の曲線が完璧に構造に合うよう、数十種の糸を使い分けています!
歴史ある屋根の瓦を捲らせてもらうときには、前の職人の優れた技術を盗んでいます。
「こういうところを苦労して納めてるな」、などというのを学ばせてもらう大切な機会なのです。
「どうやってこの状態で200年も持っていたんだろう?」というときも、屋根を捲って見ると「ああ凄い技術だな」と腑に落ちることがしばしば。16歳の頃から、全国の文化財の屋根修理で学ばせていただいた私ですが、今も学ぶことは残っています。
屋根完工後のお写真
撮影の都合上、まだ足場(木の板)を取り外しする前にはなりますが、こちらが工事完了後の屋根です。


凛々しいながらも品のある、日本瓦の美しさが前面に出た屋根です。
表からは見えませんが下地までしっかり直しております。ずれや雨漏りのリスクを極限まで減らしました。

熨斗瓦(のしがわら)という平らな瓦を幾重にも積んだ棟。
鬼瓦が格別のたくましさを醸し出しています。
近年は、大地震に備えて棟を低くする需要が高いです。しかし伝統的な建物では、外観を変えるわけにはいかないことも。高い棟であっても、技術と工夫次第で崩れにくくすることは可能です。確かに、棟が軽いと、建物構造にかかる負担は大きく減りますが、何を重視されるかは一棟一棟違うところですね。

こういった取り合い部は、施工をずさんにすると雨漏りの危険性が高い部位です。
今後の安全性に自信を持てる屋根に仕上げさせていただきました!
担当者のコメント

この度は、西堀瓦店の施工例をご覧いただきありがとうございます。
本堂の瓦屋根の雨漏り修理(葺き替え工事)でした。
激しい豪雨や地震など、自然災害への不安が高まってきている近年ですから、屋根専門の修理店として今こそ責任を果たすべきとも感じております。「急に雨漏りしてきた」という場合や「瓦が1枚だけずれてしまった」「古い屋根だからどこに任せればいいか分からない」場合など、どんなこともお気軽にご相談いただけますと幸いです!火災保険を使った工事にもご対応しております。
▷参考記事:京都で多い土葺き瓦屋根 雨漏りの原因と修理方法について
▷参考記事:屋根葺き替え工事の工程について
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